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紫色の月光

紫色の月光

最終兵器リーサルウェポン

プロローグ


昔、戦争が起きた。
長くて、激しい戦い。
だが、その戦いに勝利者と言える者はいなかった。
しかし、この戦いで失ったものは多い。



建造物

自然

そしてそれは人間の『理性』と言う名の『野生』を縛り付ける鎖をもほどいた。

その結果、嘗ては経済が盛んだった国々では経済の代わりにに暴力、略奪が盛んになっていく。

そんな中、「イシュ」と呼ばれる組織が活動を開始した。
主な活動はテロ、薬物関係、そして自分たちの軍事拡大。

彼らの扱う機動兵器は地球軍の軍隊をも退け、幹部達は一人で国の警備を潜り抜けて壊滅させてしまうほどの力の持ち主。

次第に地球と言う星に住む人々は「イシュ」への恐怖心が蓄積されていた。



しかし、そんなイシュに立ち向かおうとしている若者たちがいた。



オーストラリアの巨大な美術館。そこは厳重な警備で美術品が守られており、今まで何人もの名の知れた泥棒が挑戦しては敗北していった。
そんな美術館に、侵入者の存在を警備員に知らせるサイレンが響いた。

「いたぞ! あそこだ!!」

警備員の群れの一人が指差す場所には黒マントを羽織っている仮面をつけた男がいた。仮面の男は警備員が放つ銃弾を避けながら廊下を走る。
彼の目の前には巨大な窓ガラスがあり、他には何も無い。隣の部屋に続く扉も無ければ上か下の階に続く階段やエレベーターも無い。
それでも彼はまっすぐ窓ガラスに向かって走る。

「ま、まさか飛び降りる気か!?」

銃弾を仮面の男に放つ警備員の一人が叫ぶ。
それと同時に、仮面の男は窓ガラスに突っ込んで行く。
その瞬間、ガラスの破砕音が響いた。
割れたガラスの破片は三階の高さから地面に降り注ぐ。しかし、その地面にはいるはずの仮面の男はいない。

数秒後、警備員の一人が何かに気づいて、夜と言う名の闇で覆われている天を指差した。
他の警備員もソレの存在に気づき始め、声をあげる。

「ヘ、ヘリコプター!!」

そしてヘリから降ろされているロープを左手で掴んで宙を浮いているのは、先ほどガラスを割って空にダイビングした仮面男であった。
彼は得意げにこちらを唖然とした表情で見ている警備員たちに向かって大声で叫んだ。

「はっはっはっ!! ご苦労だったねぇ。諸君。この宝石『エリシオンの瞳』は確かに頂いていくよ!!」

仮面の男は空いている右手で盗み出したサファイア、「エリシオンの瞳」を警備員たちに見せ付ける。
するとその警備員たちの上。美術館の屋上に何かがいるのに彼は気づいた。

「も、もしかしてあれは・・・」

仮面男は、その隠した素顔に冷や汗を流しつつ、屋上に視線を集中させる。
するとそこには中年の男がハングライダーで空を飛ぼうと助走体勢に入っていた。
その中年の男を仮面男はよく知っている。

「ネルソン警部!!」

ハングライダーでこちらを追おうとしている中年男――――ネルソンは名前を呼ばれて、ヘリの方に顔を向ける。にたぁと笑みを浮かべながらヘリをじっと見ているその姿は、草食動物を追い詰めた肉食動物のようである。

「我が永遠の宿敵、怪盗 シェルと怪盗 イオよ!! 今日こそこのネルソン様が、貴様ら二人を逮捕して牢屋にぶち込んでくれるわ!!!」

「いい加減その台詞、聞き飽きたぜ」

「全くだ。で、どうするんだ?」

ヘリコプターの操縦席でヘリを操縦している青い仮面をつけた男――――ネルソンに「怪盗 イオ」と呼ばれた男は無線を使ってシェルに問う。

「向こうがハングライダーを使うのでは、ヘリの内部で操縦をしている俺はともかく、ロープにつかまって宙に浮いているお前は本当に捕まっちまうかも知れないぞ?」

「大丈夫大丈夫ー。あのネルソン警部がまともに俺たちを捕まえる事が出来るはずが無い! 俺が保障しよう!!」

断言したシェルは余裕たっぷりであった。

一方、ネルソンは屋上からハングライダーで飛ぶべく、助走をつけて屋上から跳んだ。
その瞬間、シェルは、『ああ、鼻から地面に激突だな』と、仮面の奥で何故か自信に満ちた表情をする。
しかし、シェルのその表情はすぐに消え去った。
何故ならその鼻から地面に激突するはずのネルソンが、ハングライダーを使って華麗に空を飛んでいたからだ。

「う、嘘だーっ!! あの脳みそのでかさがアリ並みのネルソン警部がぁー!!」

「コラァァァァ!!! 誰がアリ並みのでかさの脳みその持ち主だ!!」

「こりゃあ、大事だぞ。いつも超ウッカリして失敗しまくって、毎日減給させられている、あのネルソン警部が!! こりゃあ、明日はこのオーストラリアの大地に雪が降るな」

「ちょっと待て!! 何でお前が減給の事を知っている!?」

減給のことを言ったイオは無視する。
しかし、流石に予想外の出来事だったため、シェルの方はあたふたしている。
だが次の瞬間、ハングライダーで華麗に空を飛んでいたネルソンがいきなり地面に急降下していった。
急降下していくハングライダーを見ると、ロープが屋上に繋がっており、これ以上飛べない状態になっていた。
その状態に気づいたネルソンは、慌てながらも地面に向かって落ちていく。

「だぁぁぁ~~~!! おのれ、怪盗二人組み!! 何故、俺が風で飛ばされないようにハングライダーを縛り付けていたのを知っていたぁぁぁぁっ~!!」

「いや、それは貴方がロープを外し忘れていただけだと思うのだが・・・・」

イオは操縦席から地面に急降下していくネルソンに向けて呟くように言う。


そして数秒後、ネルソンはシェルの予想通りに、鈍い音を立てながら鼻から地面に激突。
立ち上がってこちらに発砲してくる気配は無い。

「・・・・・・やっぱりネルソン警部は何時までもネルソン警部なんだな」

イオはネルソンが今まで犯してきた失敗を一つずつ思い出しながら、今回の失敗を「ネルソン失敗ランキング」の何位に当てはめるべきか考えた。
因みに最下位は「こちらに向けた拳銃が、実は壊れたモデルガンだった」で、第一位は「ガスが充満している部屋で良い匂いがすると言う理由で煙草を吸った」である。

「27位くらいかな? 今回の失敗は恐らく、ネルソン警部が毎日犯す失敗にしてみればレベルは微妙な方だな」

頭を掻きながらイオはランクを整理した。ランキングとは言うが、イオが個人的にランク付けしているので、他の人間がランキングを見たとしても、必ずこれが何位なのかと言う確証は無い。
だが、イオ本人からしてみれば他人がどう思おうがどうでも良い。ただの自己満足でランキングしているだけなのだから。

「・・・・ま、まあこれで邪魔者はいなくなった。さらばだ諸君!! 次の満月の夜にまた会おう!!」

シェルが高らかに言うと、ヘリコプターは満月の中に吸い込まれるようにして消えていった・・・・。







キャラ設定



・エリック・サーファイス(イメージCV:結城 比呂)

年齢は20歳。世界的に有名になっている泥棒、怪盗シェルその人。犯行に及ぶ際は必ず予告状を出し、一度狙ったターゲットは必ず手に入れると言う恐るべき執念の持ち主。尚、盗みは趣味だったりする。
古代の最終兵器。最終兵器槍(ランス)の持ち主で、槍に乗って自由自在に空を飛んだり突風を巻き起こしたり竜巻を発生させたりする事が可能。
結構ノリがよく、仲間を思う気持ちなら誰にも負けない。
未来からやって来た裏組織「イシュ」に両親を殺されており、影ではイシュの行動を阻止する為に動いていたりする。
実はかなりのオタクで、三次元の女に恋するな、という人間失格的な誓いがあったりする。
ランスを使わなくても身体能力が高く、盗みの腕に関しては自分で「手癖が悪い」と言うほど高かったりする問題児。




・マーティオ・S・ベルセリオン(イメージCV:福山 潤)

エリックの相方で、年齢は同じく20歳。怪盗イオと名乗る泥棒で、手癖はエリック並に悪い。尚、本人はあくまでマジシャン志望だったりする。
古代の最終兵器、最終兵器大鎌(サイズ)の持ち主で、大鎌の柄を分離させて無数のナイフにしたりフィンファンネルの如くバリアにしたりとトリッキーな扱いをする。尚、月の光を吸収し、異常な戦闘力を得る代わりに理性が無くなる「バーサーク」も大鎌の能力である(29話にて、理性が戻るようになる)。
性格は結構ひん曲がっており、女子供だろうと容赦が無い。ある意味差別をしない男である。
どんな事があろうと自分のペースで行動する。最悪の問題児。
手先が器用で、手品師としても一流の腕を誇る。
過去に闇医者をやっていた時期があり、「ドクター・イオ」の異名でも通っている。腕の方は何故かいい。
ナイフ、手榴弾、水鉄砲、ショットガンと様々な物がコートの中から出てくる。何処で仕入れているのかは不明。
何処か人の不幸を見るのを楽しんでいる節があり、大抵エリックがその被害にあっている。
血を見ると興奮して敵をズタズタにしてしまう『殺戮症』の持ち主。それが起きるたびにナイフ一本が使い物にならなくなるほどである。
8話で宇宙船から海に落下してしまい、それ以降エリックとは別行動をとっている。



・切咲・狂夜(イメージCV:関 智一)

エリックのもう一人の相方で、怪盗レオと名乗る泥棒。年齢は同じく20歳で、泥棒暦はエリック、マーティオよりは浅いが、それでも手癖は結構悪い。
普段は視力も悪くは無いのに牛乳瓶の底みたいな眼鏡をかけており、温厚で優しそうな印象を受けるが、眼鏡を外したら性格が180度変わってしまい、気性の激しい性格になる。
古代の最終兵器。最終兵器剣(ソード)の持ち主で、刃を鞭の様な軟質な物に変えたり、神木の筆をエネルギー変換する事で闘志の弾丸をぶっ放す事が出来る。
実は絵を描くのが趣味と言う意外な事実があるが、そんなに上手いと言う訳ではない。
エリックをオタクにしたキッカケを作った張本人。エリックほどではないにしろ、彼もそれなりのオタクだったりする。
尚、同世代で仲のいい事からエリック、マーティオ、狂夜の三人で『デルタフォース』と呼ばれている。



・フェイト・ラザーフォース(イメージCV:生天目 仁美)

エリック達デルタフォースの先輩にして、彼等が唯一敬意を抱く人物。
面倒見がいい姉御肌で、問題児トリオであるデルタフォースを纏め上げた凄い実力者。実はエリック達三人がかりでも敵わない強さを誇る。
マシンガンを普通に回避する等の凄まじい動きを見せており、本当に人間なのか一番疑わしい状態。
誕生日、血液型、本名も何もかもが不明な女性で、現在一番正体不明の女性。 しかし、年齢はエリックたちよりも高めであることは間違いない。
古代の最終兵器、最終兵器銃(ガン)の所持者で、自在に重力展開を発動させる事が出来る。
台詞には8割ほどの確立で「グレイト」がつく。
結構現実主義者で、冷酷な一面も持つ厳しい人物。
尚、暫らくの間別行動をしていた為、エリック達のようにオタクにはなってない。



・雪月花・ネオン(イメージCV:南 央美)
 
京都の山の中でマーティオと出会い、それ以降行動を共にしている少女。年齢は15歳。尚、現在名乗っている名前はマーティオが電子辞書で適当に引いた単語で構成されている。
本名は『相澤・灯』といい、イシュ幹部である相澤・猛の一人娘。将来有望な天才活発少女だったが、階段から転んで死亡してしまった。
古代の最終兵器。最終兵器弓(アロー)と融合し、なんとか生き返ったが、最終兵器の意思と元の彼女の意思が交じり合ってしまった為、元の彼女の面影が残ってない寡黙で無愛想な少女になってしまった。尚、この際身体能力が異常なほど上昇している。
何故かマーティオに懐いており、彼と離れようとしない。
実は非常に頭がよく、6桁の掛算でもたったの数秒で正しい解答を言い当ててしまう特技を持つ。
最終兵器と融合して栄養を大幅に失うようになったのか、脅威の大食らい。その為、マーティオの財布は日々ピンチを迎えている。




・ネルソン・サンダーソン(イメージCV:納谷 悟朗)

日々エリック達を追いかける熱血警官。警部である。 年齢は40歳。
行動と言動がかなり奇天烈であり、何時も変な所でドジをやらかす。
銃よりも拳を良く使うのはそっちが強力だからであり、既に身体能力が化物じみてきている。
気合と熱血と根性と熱い正義感を抱き、恐るべき執念でエリック達を日々恐怖させている(でも毎回逃げられている)。
古代の最終兵器、最終兵器拳(ナックル)と融合する事によって、自身の妄想の塊である「ポリスマン」に変身できるようになった。尚、生きたまま融合したので性格に変化なし。
自身が考案した秘密道具とバナナを常に所持しており、バナナを食べたらその時点でエネルギー全快、パワーマックスである。
過去に警察官のトップで纏められている「警官四天王」のナックル警部として活動していた時期があったが、エリックに敗北して以来、四天王を辞めている。
尚、アメリカに置いてきた妻と娘とのコミュニケーションが最近の悩みの種らしい。



・ジョン・ハイマン(イメージCV:上田 祐司)

何時もネルソンに振り回されている苦労人な刑事さん。年齢は26歳。努力賞をあげるなら是非彼にあげて欲しい。
ネルソンの相棒に認定されてからは暴走しがちなネルソンを抑える役を行っているが、逆に常識が毎回崩されかけている。
身体能力異常な体力馬鹿であるネルソンに毎回ついていっている所を見ると、彼も中々身体能力が高いとうかがえるようではあるが、それでもネルソンには遠く及ばないようである。
ネルソンの命令でラジカセを常に所持されており、ラジオ体操から自身が作詞作曲した「ポリスマンのテーマ」まで流す役を当てはめられている。
レギュラーメンバーの中で唯一といってもいい常識人であるが、彼の様な人物の努力があるからこそネルソンが光る事を忘れちゃあいけない。
尚、フリージャーナリストの姉がいる。



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